試験機概要
― TESTING MACHINE OVERVIEW ―

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試験機の必要性について

昨今、ゴム製品の使用環境は益々過酷さを増し、より高度な性能を求められるようになりました。
ゴム製品の実際の使用環境や使用条件において、充分な耐久性を有しているかを事前に正確に評価することは、製品の品質保証の観点からも
非常に重要です。これは、メーカーとしての製造物責任や安全性だけでなく、それを使う側にも同じことが言えるのではないでしょうか。
ゴムは、気体、液体、熱、光など化学的、物理的要因等が関与した複雑なメカニズムで劣化します。従いまして、それぞれの使用条件下で要求性能を
満たすゴムの選定が必要で、実際の使用条件に近い環境で評価することが重要になります。ゴム製品を評価する方法としてISOなどの
国際規格や世界の主要規格で詳しく取り決められているのは、ゴム物性の多様性を表しているといえます。
ゴムは加工する上で、その性質上ある程度のバラつきが生じます。そのバラつきをゼロにすることは至難の業ですが、バラつきを小さく抑える
ことはできます。その為にもゴムの試験機が必要不可欠になっております。

混練で、配合剤やフィラーが均等に分布しているか、加硫が万遍なく行われているか、そして製品の強度や物性が仕様を満たしているか、
各製造工程で評価する試験機は、その製品の品質を保証するためには必要です。

ゴム製品の試験は、硬さ、比重、引張などの物理試験が一般的ですが、練り状況を直接的に評価する為には、
ムーニー粘度計、加硫試験機、分散計なども製品の品質保証にとって重要な試験機になります。
ゴムの試験機は、生産機械とは違い試験機そのものが直接利益を生み出すものではありません。
それ故に後回しにされがちですが、安心安全が強く叫ばれている昨今において、製品の安全及び品質向上への
確かな信頼が目に見えないところで育まれるものと確信しております。


ゴムは、大きなくくりではプラスチックの一部です。特にエラストマーになるとどちらの範疇に入るか迷うばかりです。
当社では、ゴムとプラスチックのはっきりした線引きをする必要もないと考え、良質な試験機にこだわりをもってご紹介させていただいております。

私どもの取り扱い製品について

私どもの取り扱い製品について

ゴムの製造において、混練工程の重要性は申し上げるまでもなく、製品の性能や品質に直接かかわってきます。
その為にも、練りを評価してコントロールする試験機が必要になります。
当社では、練りの良し悪しがその後の品質を左右すると考え、それを評価するための加硫試験機、ムーニー粘度計、フィラー分散計を独自に開発し製造しております。

そして、練りの複雑なメカニズムを実際に近い条件でシミュレートして解明するために、実機に近いラボ用ミキサーを、タイの小型混練機メーカーであるCT社(シャレオンタット社)と技術提携して、開発製造をしております。
その他にも、オープンロール機、押出機、テストプレス、ペレタイザー等、ラボスケールの試験機の開発製造も行っております。

ゴムを練った後の成形工程においての物性試験機として、ゴム用硬度計ならびに反発弾性、摩耗試験機をご用意しております。
これらは欧州トップメーカーであるバーレイス社製になります。
その他物性試験機では、コムテック社製のゴム用引張・圧縮試験機をラインナップし、お客様のニーズに対応しております。

また、環境試験の分野では、熱老化試験などの各種オーブン、応力緩和、クリープ試験機も取り揃えております。これらは、世界的な専門メーカーである、エラストコン社製になります。
他にも、ヴィジョンエンジニアリング社製の人間工学に基づいた画像測定システムなど、世界中から良質な試験機を取り扱っております。

シャレオンタット社について

シャレオンタット社について

シャレオンタット(CT)は、親会社にゴム加工会社、グループ会社に金属精密加工会社を持ち、2004年にタイで設立されました。
ゴム、プラスチック及び食材の混練装置の専門メーカーです。
経営者自身も、タイの大学で教鞭を取り、機械工学を教えています。

タイ国内の大学や研究機関はもとより、ベトナム、マレーシア、スリランカなどの周辺国の大学や研究機関に多くの実績を残しております。
最近は、アフリカやヨーロッパ方面にも販路を広げ、日本のタイヤメーカー及び材料メーカーへの納入実績もございます。

製品のラインナップは、混練機(インターナルミキサー)、一軸/二軸押出機、ペレット材作成用のペレタイザー、テストプレス機、オープンロール機などがあり、実機を忠実に再現できるラボスケールの製品には定評がございます。
日本国内向けでは、お客様のご要望に合わせて装置のカスタマイズが可能です。
豊富な経験を活かして、使い勝手の良い高精度な装置を提供しております。

アフターフォローにつきましても、日本国内で対応しておりますのでご安心ください。

バーレイス社について

バーレイス社について

バーレイスは1954年に、Heinrich Bareiss氏によりドイツで設立されました。
その後、エラストマー材料の硬度試験分野におけるパイオニアとして、長らくヨーロッパのゴム硬度計シェアNo.1を獲得しております。
日本国内においても、大手ゴム部品メーカーをはじめ、数多くのお客様に支持されております。

JIS、ISO、DIN、ASTM等をはじめとする、世界主要規格に準拠したゴム用硬度計を送り出しており、1996年には、DIN EN ISO / IEC 17025に準拠した硬度の校正において、ドイツで初の公式なDKD校正試験所として認定されました。
製品で使用されている各部品に関しましても、95%を自社製造しており、安定した品質供給に寄与しております。

硬度計では世界トップクラスのシェアを持ち、国内でもゴム用マイクロ硬度計ではトップシェアを誇るバーレイスでは、硬度計だけではなく、反発弾性試験機、DIN摩耗試験機なども自社で製造しております。

コムテック社について

コムテック社について

コムテックは、1994年に台湾で設立されました。
材料試験機を始め、摩耗試験機、衝撃試験機などの試験機を開発、製造しております。自社でプラスチック、ゴム、紙、金属などの試験機を手掛ける一方、OEMサービスも行っております。OEMサービスは、ヨーロッパ、アメリカの地域で10年以上の実績を持ち、確固とした信用と実績がございます。

取り扱い製品につきましては、現在は台湾国内で全て製造しており、品質の面でも万全を期しております。特に引張試験機においては、日本国内でも十分な実績がございますので、安定した品質管理を必要とされるお客様へ、自信を持ってご紹介させていただいております。

当社では、2013年よりコムテック社と技術提携を結び、特にゴム・プラスチックの分野において、当社の経験を生かした製品づくりに取り組んでおります。
高伸長のゴムに対応した引張試験機として、延長コラムと高伸長伸び計をセットにした装置を主流に、ゴム専用のエアグリップなども開発いたしました。

エラストコン社について

エラストコン社について

エラストコンは、1987年にスウェーデンのSP技術研究所で研究エンジニアとして働いていたGöran Spetz氏によって設立されました。

メーカーとしての最初の製品は、ISO TC 45委員会でISO 3384の試験方法が追加されてすぐに開発された、応力緩和を測定するシステムでした。
その後、高温での熱老化、応力緩和試験を正確に行うためのセル型熱老化オーブンや、車のフロントガラスの曇り具合を評価するフォギングテスターを順に開発し、今では約80以上のゴムおよびプラスチック材料の試験装置を開発、製造、販売しております。

創業者であるGöran Spetz氏は、1978年からスウェーデンのゴム規格化委員会でゴム試験方法の規格化に参加し、現在では委員会の議長を務めています。また、ISO TC 45委員会ではスウェーデンの代表であり、3つの作業グループの議長も務めています。これにより試験機器を開発、製造していく上での多くの情報とアイデアが会社に与えられています。

またエラストコンでは2000年に校正試験所として、2018年には委託試験所としてISO17025の認定を受けております。信頼性が高く、より優れた試験機器の開発を目的とし、新しい試験方法に対してはいち早くその方法に対応した試験機器を開発することに努めています。